2014年10月15日水曜日

十勝まで行ってきました 復路

幸いにも,体調ばっちり,天気ももちそうだから,バスには乗らずに走って帰ることにしました.輪行バッグは邪魔になるので,地元の友人に預けました.

帰りのルートである狩勝峠を通るのは,おそらく30年ぶりくらいでしょう.274号線が開通する前,中学生の頃は十勝から札幌に行くには,車も国鉄も狩勝峠なのでした.子供心に,ものすごく退屈な旅だった記憶があります.

めむろ窯のおいしいパンを食べて,AM4時40分出発.真っ暗な中を38号線を西に進みます.昨日の経験があるので,暗くても寒くても気持ちに余裕がありました.
唯一明るい芽室自動車学校
ライトを手で隠すと,完全な闇の世界です
朝日に染まるビート畑を見ながら(まだ製糖が始まってないようです),清水を通り過ぎて,新得へ.体調が良いせいか,追い風なのか,かなり快調に進みます.
赤く染まる畑
前日に死んでしまったサイコンは再起動してあります.徐々に登り基調になってきても,スピードは30km/hrを維持.俺ってすげぇと,思ってたら,サイコンが壊れて表示が固まっていただけでした.

新得へ向かう道路.果てしない感が半端ないです.
いよいよ,今回の第二の目的,狩勝峠に登ります.すぐに1合目の看板,そして2合目がやってきます.日勝峠の1/4くらいの感覚の間隔で次の看板が出てきます.これは,もしかして,狩勝峠って楽勝?手稲山よりちょっと楽なくらいでした.
サホロを過ぎて,いよいよ狩勝峠へ.
9合目を過ぎの覆道の隙間から十勝平野に別れを告げて頂上に到着.
さよなら,十勝平野.
展望台のお店は,まだやってませんでしたが,演歌調の音楽だけが無人の原野に流れてました.一回脱いだレインウエアを再び着用して,ダウンヒルへ.富良野を目指します.
セルフタイマーは便利だけど,一人だと,浮かれたおっさんみたい.
途中にちょっとした小登りの峠を経由して,あとは気づかないくらいの下り基調です.しかし,向かい風で帳消しになり,下っている間隔はまったくなく,景色は30年前と変わらず単調で,紅葉にも飽きたし,ケツが痛いし,おなかが減ってきたけどお店がないしで,富良野までは苦行でした.

おしりの痛みと局所のしびれ対策として,サドルの位置をずらしたりダンシングを入れて,富良野市街をめざします.ぽっぽ屋や風のガーデンのロケ地の看板がありました.135号線の登りに備えて,セイコマで食料とドリンクの補給をしました.
こんなことしてたら,おばあさんに話しかけられました.
市街地を抜けて一気に寂しい景色になり.もしかして,看板を見落として135号線に曲がるところを通りすぎた?と不安な気持ちになりながらも,戻る勇気もありません.島ノ下の信号で,予定通りの看板を見つけて一安心.38号線に別れを告げて,芦別に向けて登ります.

青看板をみつけて,一安心.左折して芦別方面に向かいます.
平地のロングライドは,一見楽しそうなイメージですが,実は,おしりの痛みとか膝の痛みをごまかしながら,足と頭を切り離して,じりじりと,黙々と進むことになるので,あまり楽しくないということが,今回わかりました.
登りは,「自分が登り切ることが出来るのか」証明するという小目的ができるので,退屈することはありません.だから,アップダウンは大事です.

登りにも紅葉にも飽きてきた
153号線の頂上にはトンネルがあって,これが,ものすごく長いです(2.7kmくらい)が,ここも交通量が少なくて,怖くはありませんでした.
あんまり長いトンネルだったので,出てから振り返って写真を撮りました.
そんなに長いのにトンネルの出入り口には距離の記載がありません.
452号線に出て,桂沢湖にむけていよいよ最後の登りです.紅葉を見に来ている観光客が沢山いて,一番交通量が多かったです.傾斜がゆるくて,しゃきっとしない感じです.登っているのか下っているのか,だらだら進みながら,最後にきゅっと登っておしまい.
路面が濡れていましたが,雨に当たることはありませんでした.時折,体にポツポツと当たるものがあって,雨粒ではなくて,虫だったようです.
正直,この辺の景色については,何の思い入れもないので,ただ通りすぎるだけの道路です.
何年か前のツールのスタート地点を探しつつも,見逃したみたいで,いつのまにか桂沢湖に来ました.ここで,今回の旅で二人目のサイクリストを発見です.追いつく前に夕張方面に曲がってしまいましたが,ママチャリの後輪にツーリング用のバッグをつけていたようで,まだまだ世の中には強者がいるようです.

あとは下るだけ~.三笠市内へのアップダウン.「あぁ,ツールで走って,この小さい登り・右カーブで落者が発生したなぁ」などと思い出しつつ,運動公園で最後のトイレタイム.

道に迷いたくないので,一番間違いのない12号線に出て,岩見沢へ.さすがに信号が多くて,スタートする度に,レースでもないのに,クリートのハマらなさに悲しくなります.
予想していた所要時間は11時間ですが,もしかして10時間でつくかも?と,よこしまな考えが出てきました.すでにお昼ご飯の時間ですが,あとは家に帰ってから食べたいし,時間がもったいないので,休憩しないで走り続けます.
江別の果てしない平地の直線で,ものすごい逆風にさらされます.疲れもあって,心の底から江別を嫌いになりました.距離感覚も狂ってきていて,江別の市街地の手前なのに,「酪農学園大学はまだか~」と探しておりました.おなかも減ってきて,これはいよいよやばい感じ.最後のカロリーメイトで少し持ち直して,酪農学園大学も通りすぎて,札幌に入り,よろよろと自宅にたどり着きました.残念ながら10時間は切れず,227kmを所要時間10時間と20分で15時ちょうどに帰宅となりました.

帰ってきた喜びを表現したら,こんな程度.

算出された平均速度は21.97km/hr.

念願を果たして,達成感でいっぱいです.ロングライドはもうこりごりですが,今度は釧路まで行ってバスで帰ってきたい気持ちもあります.その場合,だらだらして退屈な狩勝峠か,刺激的だけど負担の多い日勝峠かなやんでしまいそうです.

雨に降られることなく,峠が凍ることもなく,パンクすることもなく,体を壊すことなく,交通事故にも遭わず,幸運のもとに走りきることができました.
ちなみに翌日から台風の影響で雨やら凍結やらでした.

家の中で後片付けをしていると,なんだか目がかすんでます.走っているときはアイウエアが曇っているのかと思ってましたが,自分の目が曇っています.娘からも,「目が濁っているよ」と冗談のようなことを指摘されます.蛍光灯を見ると笠をかぶってます.
これは目の汚れなのか,紫外線の影響なのか.一応,紫外線カットしてくれるはずのアイウエアなのですが.
夜になる頃には,目のかすみは治ってました.

眼科の友人の診断では点状表層角膜炎だそうです.長時間の野外活動で起こす角膜炎とのことで,気温や湿度の低下も関係しているそうです.

筋肉痛は思ったほどではなく,普通に家事はこなせました.局所のしびれとおけつの痛みはまだあります.

長文におつきあいいただきありがとうございました.



2 件のコメント:

や ま さんのコメント...

ご無沙汰してます。
往復400㎞単独走、素晴らしい!お疲れ様でした。
大人の夢、実現、ってところでしょうか。

狩勝峠、日勝峠ともに以前に走ったことがあるので、なつかしいです。数年前と思っていたら前者は11年前、後者が6年前でした。日勝峠はまだ高速道路ができていなかったのか、大型トラックが多かった記憶です。

いのみちお さんのコメント...

やまさん
コメントお待ちしておりました.
徳島のやまさんが道東を走っているのを見て,地元民が走らないでどうする!と,大いに刺激されて,今回の夢実現となり,すっきりしました.
日勝峠は,交通量が減ってものすごく走りやすいので,是非もう一度来道なさって下さい.