2015年6月30日火曜日

BRM627釧路湿原400km

ランドヌール札幌さんの企画です.釧路から納沙布岬までを往復するという,道東フェチにはたまらないコースです.これは行かねば.

これが400kmブルベ初挑戦です.
300kmを12時間半くらいで走れたので,17時間くらいで走れて24時くらいで帰れるかな~なんて,400kmをめっちゃ甘く見てました.夜間ブルベを甘く見てました.すみません.命の危険まで感じてしゃれになりませんでした.

前泊して,朝6時過ぎ釧路駅に集合.

私をブルベに引き込んだMえだ先生と会うことができました.しかし,先生は夜間バスでかけつけて,フォールディングバイクで出走という私の知らない遙か先の世界に行ってしまっておりました.
Mえだ先生の,知らないメーカーのバイク
Mえだ先生のおかげで,ようやくブルベな人たちとお話できてよかったです.
ブリーフィングでKやさんと不肖私が早めに帰ってくる人という扱いを主催者のYしださんからされて,このことが最後になって私を窮地に陥れるのでした.
Kaba3さんはファットバイクではなく,キャノンデールのディスクでした

エントリー21名という精鋭が集まり,(同日の函館ハーフマラソンは3800名)まずは標茶にむけて出発.塘路湖,シラルトロ湖をみながら釧路湿原を堪能します.
最初の100kmは一度内陸に向かって,標茶から厚岸に向かう,いわばウォームアップ.


厚岸

厚岸の南太平洋に出てからが本番!という雰囲気.独特の低い緑がはいつくばる海岸線とどんより灰色の海を見ながら,東へ,納沙布岬へ向かいます.
Kaba3さんがなぜか車で通り過ぎて行きました.
kaba3さんの登場に驚いて,ポーズとる余裕無し

なんだか,いつもよりやたらと空腹感がします.意外と気温が低かった(予報では最高15度,最低10度)のと,ずっと東からの向かい風だったからかもしれません.ちなみに半袖短パンジャージにアーム&レッグウォーマー,上半身はレインウエア,長指グローブといういでたち.
浜中町は昆布の生産日本一だそうです.あちこちで昆布を干してました.
向かい風でつらい,けど東北海道は楽しい.初めて見る厚岸から向こう側の景色を自転車で走る興奮.大変だけど,走りがいがある.根室を過ぎて納沙布岬まであと少しかと思いきや,さらに風が強くなり進まない.でも,不思議とつらくない.北方領土はよく見えない.
215kmで納沙布岬,望郷の岬公園.北方領土の有名なモニュメントを初めて見た.
この区間はそれなりに大変だった第二区間の100kmでした.

北方領土を見張るかのようなタワーがあるなんて知らなかった.
さぁ,釧路に帰ろう.暗くなってきたのでライトオン.待ちに待った追い風にのってビュンビュン進みます.さっきまですごく大変だった丘越えが,アウターで上れちゃうくらい.第3PCまで長かったけど,調子に乗って休憩なしで行っちゃいました.ここで赤飯たべて,肉まん食べてしっかり補給.意外なことに,Kやさんとお会いしました.すき家で補給をしたそうで,それで追いつけたのですね.いよいよ暗くなる中,浜中町役場に向かいます.
この第三区間の100kmは楽しくはしれました.

いよいよフィナーレ,最後の100km.
往路の厚岸を過ぎてから左目が白くかすんできて,復路の浜中町の手前から右目もかすんできてしまいました.いつもの点状表層角膜炎です.バイザー+アイウエアの二重で目の保護をしましたが,だめでした.しかも復路の浜中町をすぎてからの暗闇がまさに「真の闇」でまっくらけ.かすんだ目には路上の白線しか見えません.対向車のライトが角膜で乱反射して,通りすぎるまで何も見えなくなり,停車せざるを得ません.あまりの暗さに道路の斜度がわからない.使っているギアがわからない.距離感もわからない.おまけに雨が降ってきて,下り坂は超のろのろです.道路の方向は,カーブの方向を示す標識が頼りです.それ以外は真っ黒です.スタートから300kmをすぎても幸い体力は残っていそうです.でも,目が見えません.それと寒すぎです.ちょっとでも立ち止まるとガタガタ震えます.低体温症になりそうです.なんの修行なんでしょう.なんの仕打ちなんでしょう.つらすぎです.でも,Yしださんに早く帰るライダーキャラに仕立てられたので,それを裏切りたくなくて,無用な休憩もしたくありません.前方の視界に集中しすぎているせいか,不思議なことにまったく腹が減りません.のども渇きません.走るだけでめいっぱいです.なんとか厚岸について人工の建造物を見て,すこしほっとしました.あまりの寒さにセブンイレブンにかけこんでカイロを購入.はっっっっ,クレジットカードがない.第3PCで使ったはずなのに,返してもらってないのか?おいてきてしまったのか?他の出場者に預けてもらって持ってきてもらう?いやいや自己責任のブルベでそれはない.送ってもらえるのか?第3PCのコンビニに電話してみるが,「そんなカードは無い」と.ゴールまであと60km,寒くて,暗くて,見えなくて,もう思考停止.冷静な判断ならカード会社に電話してカード停止でしょうが,もうすべて後回しの気分.とりあえず出発しよう.あとは昆布森さえ過ぎれば,慣れ親しんだ白樺台・桜ヶ岡・春採が待っている.44号線から左に曲がって昆布森への山道へ.ここからさらなる試練へ.

なんだかふらつく.左端を走りたいのに,センターラインをはみ出すことしばしば.反射する表示板が人の顔や幽霊みたいに見える.そのうちに,センターラインを見ているはずなのに,見えなくなる.時刻は0時30分を過ぎている.これは,どうやら眠いらしい.睡魔だ.自転車で眠いなんて初体験!これでブルベ人の仲間入り!!・・なんて,喜んでいられない.下りの山道で眠ったら,どんなケガするんだ.ここまで落車してないのが不思議なくらいだけど.
休みたいけど,一桁の気温の山の中で仮眠できるところなんてあるわけないし,24時までに戻れるかなななんて甘く見ていたので,そんな装備も無し.仕方なく路上に立ち止まって,少しでも休みをとる.小径・シングルの猛者ライダーが抜いていったので,すこし目が覚めて走り出したけどペースが上がらず置いて行かれる.
白樺台はまだか~とクラクラしながら進んでいくと,暴走族のような兄ちゃんたちが,バイクを爆音させて乗り回している.こんな夜中に,こんな山奥でである.(後で奥さんに聞いたら,昔からいるよ~って)
おっかなかったけど,からまれずに通過.おかげですっかり目が覚めた.ほどなく,念願の平地に出て懐かしい白樺台へ.
あとはまっしぐらに北大通りへむかう.両目がかすんで,街灯の光が乱反射して,景色は真っ白け.ゴールの北大通りのローソンについたのが,AM2時半すぎ.
ホテルパコでブルベカード提出.
その時!クレジットカードがあった!!!!!!いつもと違うところにしまっていただけだった.疲れで判断力が鈍っていたのですね.あぁ,こわい.でも,あってよかったぁ.
自転車もどこなく,お疲れさまな雰囲気 フロントに見られないように部屋に収容

色々と反省点の多いブルベでした.
装備やライトがぶっつけ本番でした.前もって夜間走行などはシミュレーションすべきでした.
おしりは痛くなりませんでした.
しかし,夜間走行などやってみなくちゃわからないことができて,非常に怖かったけど,対策を立ててリベンジしたい気分です.






8 件のコメント:

kaba3 さんのコメント...

初コメントになります。ほんとにほんと、お疲れ様でした&あの寒さの中見事完走ゴール!あのタイム流石です(^Q^) ゴール受付で井上さんの姿を拝見した時。過酷さがすごく伝わってきました。。。

自分は、PC1の手前で落車(空飛んでしまった為)DNFを宣言し、急遽スタッフお手伝い&みなさまの応援をしていました(汗汗) 昨日、病院行った所やらかしてしまいました「腰椎横突起骨折」でした・W 骨折の症状では比較的軽傷みたいですね。素直にファットバイクで走っていたらこのような事故は回避できたかな?とちょっと反省しています。

また、次お会いできる事を楽しみにしています。どうぞ宜しくお願い致します。

kiyatchi さんのコメント...

 お疲れさまでした。目がそういう状態だと、本当に大変でしたね。今回の400は、私が今まで経験した400の中で、一番過酷な400でした。昆布森の手前は、デジャブの様に同じ様な光景が続いていました。
 600になると、私は完全に寝ますが、寝ない人もいます。その辺から、また違う自分が見えてくるかもしれません。
 また今度一緒に走れることを楽しみにしています。   

いのみちお さんのコメント...

kaba3さん いらっしゃいませ,コメントいただけてうれしいです.ゴール受付では目がかすんでkaba3さんがいらっしゃるのに気がつきませんでしたが,みなさんのの非常に暖かい雰囲気に受け入れてもらって,走行中はすごくつらかったはずなのに,また走りたくなってしまいました.
腰椎横突起骨折といえばW杯でのネイマールと同じですね.早いご回復をお祈りしております.ブログの続編もおっかなびっくり楽しみにしています.

いのみちお さんのコメント...

kiyatchiさん,ありがとうございます.
400kmはいつも,こんなにつらいわけではないのですね.安心しました.今回は,つらいというか,危険なレベルだった気がします.昆布盛の手前は無間地獄のような果てしなさでした.睡魔のためだけではなかったのですね.
kiyatchiさんに,一時でも抜かれるのではと思ってもらえて,時間を競っているわけではないですが,ちょっとうれしいです.またkiyatchiさんと少しでも絡めるようにがんばってみます.
おらんだせンベイは職場の近くの琴似で手に入るので,眠気対策に持って行く事にします.

や ま さんのコメント...

お疲れ様でした。
いよいよ、ブルべの世界に取り込まれたようですね。
懲りずに、リベンジを宣言とは、素晴らしいです。
2年前に往路を走りましたが、こちらだけで一日コースでした。
今年、2年ぶりに、北の大地へ向かう予定です。
もちろん、ブルべではなく、のんびりツーリングです。

いのみちお さんのコメント...

やまさんへ
すっかり取り込まれてますね,私.
目のかすみ(点状表層角膜炎)は今後長距離を走れるかどうかの深刻な問題なので,対策を検討中です.どうしても解決しなければ,これ以上の長距離をあきらめなければなりません.
毎度,走っている後半から終わって数日は懲りて嫌になるのですが,終わってから数日経つと不思議なことにまた行きたくなるんです.
やまさんが道東を走っていたので,負けてられないと,今回のブルベに参加しました.これですっきりしました.
ツール・ド・フランスのレポも楽しみにしています.

totty さんのコメント...

こんにちは、私も今年からブルベに参加しています、シングル小径車のtottyです。
kiyatchiさんのブログコメントから飛んできました。

すれ違う際にお声掛けし、少し心配はしていたのですが、
最後のPCからホテルに帰る際にいのみちおさんが帰還されるのを見て安心しました。
ですが、記事を見るとあまり大丈夫ではなかったような…

私は一度宿泊先に戻ってしまいましたのでお会いできませんでした(着替えてパコに向かおうとしたら寝落ちしてしまいました)が、またブルベでお会いした際はよろしくお願いします。

いのみちお さんのコメント...

tottyさん いらっしゃいませ
お名前がわからず文中で小径車の彼みたいな不特定な表現となりすみませんでした.
標茶へ向かう上り坂をダンシングでのぼるtottyさんを見て,「健脚」な人がいるとわかってうれしくなっていました.落石岬手前で追いついて,さらにちょっとうれしくなった自分の心が若干狭いとも思ってます.
昆布森で声をかけていただき,おかげでちょっと目が覚めました.素直に「連れて行って下さい」と言えばよかったなぁと反省しています.
あんな元気だったtottyさんでも寝落ちとわかって,つらかったのは自分だけじゃ無かったと安心しました.
こちらこそ宜しくお願いします.