2011年8月8日月曜日

エタップ 旅行記04-2 ガリビエ峠下ってラルプ・デュエズの犠牲者になりかかる

前半のガリビエ峠はこちら


ガリビエ峠の下り.
道が狭いのは見たとおり.路面が意外と凸凹しているので,跳ねて体が浮き上がりそうになる.
外人は降りるの速い!でかいおしりに必死でついて行くけど,ぼーっとしているとすぐに置いて行かれる.夢中になりすぎて景色見られませんでした.遠くに氷河がそびえていたらしいのですが.

道幅広くなってロータレ峠.ちょっとした街の中に補給所.
補給所にはバナナ,オレンジ,パウンドケーキ,甘くないパウンドケーキ,ドライフルーツ,お菓子が数種類.
ボトルを持って行くとVittelを入れてくれる.バケツみたいな容器にドリンク用の粉もあります.
品切れのものは無い様子.選手もばらけてきたので,最初の補給所に比べてスペースに余裕があります.
パウンドケーキは魅了的なんだけど,もたれる.
せっかくなので全部に手を出しました.食べ切れないものは背中に.育ちが出ますな.唯一の塩味,クラッカーも美味しい.
補給所以外に給水所もあって,こまめに給水できるのでボトルは一本しか使わないで済みそう.

バナナを2,3本たべるのが一番美味しかった.「ニホンジンデスカ~?」とフランス人に日本語で話しかけられた.
ウイ~,ジュスイジャポネ!
下りが終盤に近づくとトンネルがいくつかでてきた.ムッシュに事前に指摘されていた照明のないトンネル.外人の後ろにもついてゆっくり何事も無く降りたが,危なくて止まった選手もいたらしい.泥かぶった人もいるし,倒れていた選手もいたらしい.

下りから平坦基調になり,暑くなって疲れも出てくる頃で,選手達のペースが落ちてくる.さらに向かい風で選手の感覚が開き出す.何となく普通のロードレースっぽい雰囲気になってきた.
ラルプデュエズの前に体力温存したいので,外人の後ろに張り付いてスタミナ保存に務める.が,ちょっとした登りになると奴らは遅くなるので,自分が出てしまい,今思えばここで余計な体力を使っていたかも.
左カーブのところで塀の外に選手が落ちたっぽい雰囲気で救急車が出動.自分は直後だったので横目で通り過ぎたけど,後で30~40分通行止めになったそうです.

ラルプ・デュエズ直前の駐車場みたいなところで最後の補給.これからの恐怖感でしっかり補給したけど,食べ過ぎたかも.

さーてさてさて,ラルプデュエズ入り口の常設されているらしいセンサー通過.
いきなり10%の”壁”が出現して,もーどーにでもなれーと.
カベがそびえているって感じで,ここからラルプ・デュエズが始まるとすぐにわかります.


沿道に”アレアレ!”と応援の人が沢山いて盛り上げてくれます.その中で,日本人の女性が自分のジャージに気がづいて,「ワカサ~!」と叫んでくれました.
続いて,子供5人と走りながらハイタッチ.この辺まではまだ楽しかった.

こんな道,39-28しかありえない.
ここを登ったら終わってしまう.一踏み一踏みを味わうつもり・・・と自分に言い聞かせようとする現実逃避に近い状態.
社長~!社長が整備してくれた自転車で,こんな素晴らしいところを走れてますよ・・幻覚?

ゆっくり回す・・・かなりきつい.ペースが上がらず抜かれまくりながら進む.
もとより順位なんかに全く意味が無いし,外人さんに抜かれても全く気にならないので,そこは気楽なもんです.ここで最後の勝負どころになるプロは大変だなぁ.

まだ制限時間には余裕があるはず・・・・だけど,果たして最後までちゃんと走れるのか,この最終局面で不安になるほどの厳しさ.暑い.
足をつかないという意地をとるか,オーバーだけど命を取るかというくらいの選択を走りながら考えたいけど,頭が真っ白で考えられない.ここでは写真も全く撮る気にならない.
少しゆるくなったところは折り返しなので,またすぐに激坂になる.
名物の21個のカーブの看板も見る余裕なし.
沿道の応援に勇気づけられなんとか気持ちを保つ.それにしてもこの人達は,こんな素人集団相手に,よくぞここまで応援できるもんだ.さすが自転車の本場.乗る人も見る人も楽しみ方を知っています.
足をつけたい.

道路脇で休んでいる人がだんだん増えてくる.ストレッチしている人,完全に横になっている人,湧き水のところで休んで体に水をかけている人などなど.そこに引きこまれたい気持ちになる.

暑い.
ガリビエは涼しくて良かったなぁ.集団はちょっとした木陰を求めて時には道路の左はじを走ったりもする.
2本目のボトルの中身を捨てる.残り距離は10kmちょっとだったし,少しでも軽くなりたくて.今思うと,これも失敗だったかな.そして左足のハムストリングがつりかける.

足はつきたくないけど,休まないと体を絶対に壊しそう・・・気持ちの落とし所として,給水所で休むことにした.
北海道ではめったに必要としない「体に水をかける」重要さが初めてわかりました.
沿道にはペットボトルの水やホースで水をかけてくれる人がいて,少し生き返ります.

それにしても残り5kmの補給所の案内が全然出てこない.
早いスタート順の人たちがゴールしたらしく,ほっとしたようなにこやかな表情で降りてくるが,それを見るのがまた辛い.悔しー.
景色は見えない.暑い.もう,なにも考えられずに,ただただ登る感じ.
幸いなことに標高が上がって涼しくなってきた.

ようやく5km手前の給水所(と言っても噴水みたいなところ)でボトルに水を入れて体や両腕に水を掛ける.
よぉぉぉぉし!ここからラストスパートへ.しかし,ここから斜度10~11%の激坂区間で,
休憩の恩恵を感じることができませんでした.一踏み一踏み,無二の一踏み・・・
すでに押して歩いている人がいますね.
この後,どんどん増えてきて地獄絵図になってました.
沿道の子どもが「cinq km!」「おぉそうか!」・・・しばーらくしてから5kmの看板
今度は別の女性が「duex km!」「よし,平坦になるぞ!・・あれ?」・・・・・・・かなりしてから残り2kmの看板.
悪気はないのでしょうが,残り距離を短めに教えてくれるのも良し悪しです.

最後の緩斜面はま・だ・か~.
すげー脱水だろうけど水を体が受け付けない.吐きそうで気持ち悪い.具合悪い.頭痛い.どんなにゆっくり登ったとしても,ラルプデュエズは嫌いになるしか無いようだ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・まだ自分には意識があるぞ,えらいぞ俺.

本当の残り2km.繁華街が出現して急に斜面が緩くなる,どころか下っているじゃないか.
うっぷんを晴らすかのように,アウターにいれてビューっと.
横断幕出現,ゴール?いやいや,まだまだもう少し.

フラムルージュをくぐって左コーナー.
つらかった登りも残り1km
最後に8%の登り.あぁ終わっちゃうけど,終わらせたい~.
両手を上げてゴール.観客に少しうけたらしい.


ゴール後,観戦していたおばさん捕まえて写真をとってもらいました.皆さん親切でノリが良いです.


完走記念のメダルもらって,記念品の補給食をもらうが,気持ち悪くて食べられず.食べることも飲むこともできない.どうやったら楽になるのか.吐きたいけど我慢我慢.パスタを無料で振舞っていて,YM崎さんともらってきたけど殆ど食べられなかった.
このラルプ・デュエズの威力は翌日までつづくひどいものでした.

山頂近くのホテルでシャワーをあびて冷たいコーラを飲んで・・具合悪い.おしりが痛い.少しの登りも歩いたり自転車に乗ったりしたくない.

とりあえず,ツアー参加者が,ケガ無く山頂で揃うことができてよかったです.

主目的たるレースが無事に終わりました.あとはフランスをゆっくり楽しみたい.
明日は移動日で自転車には乗りません.かと言って観光もしません.

エタップ 第1報 旅行記01 札幌~成田 02パリ~シャンベリー 03ヴィラージュ出走前日 04レース前半 05移動日 06第11ステージ観戦 07第12ステージ観戦・トゥル・マレ

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